がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

「欲しいもの」ではなくて「必要なもの」を

芸人に下手も上手も無かりけり行く先々の水に合わねば

とは申しますが。一方で、私はうちの子達に

お客様は常に嘘をつく

とも言います。


お客様は、心の奥底で欲しいものがあり、それをなんとか表現しようとがんばってくださいます。
でも…正直。大抵の場合、その表現のタイミングで色々と(無論、お客様にしてみれば努力の結果であり誠意の発露なのですが)ミスがあることも多く。
結果として「言われたとおりに作られた、使えないシステム」ってのが往々にしてできあがります。
機能十分、要件不十分( http://shift.cmd-q.jp/weblog/0903/000848.html )に書かれている事象なんかもそのパターンですな。…まぁこの場合、プロジェクト責任者の方はあんまりにも以下略な感じなのですが(苦笑


別にお客様は「使えないもの」を、心から望んでるわけではありません。
でも、それを表現する時に、往々にして「うまいこと表現しきれない」訳です。…まぁそれが完璧に出来たら、世の中のコンサルタントさんとかSIerさんとかの何割かがおまんま食い上げになりまさぁな(笑


相手の「真のニーズ」を知るというのは、それはもの凄く大変な作業です。何せ、比較的高確率で「ご本人ですら固まってない」訳ですから。
どうやってそれを引っ張り出し、堅め、相互確認をするかは…なかなかに難しいのですが。
まず「相手の話をとことんまで聞き出し」、然る後に「少し時間を空ける」こと。間違ってもその場で理解したつもりにならない。


人間。口に出すと想いが湧き出たり固まったりします。
で。その「想いが固まった自分の言葉」を耳で聞いてフィードバックして…まぁ良い感じのループになるのですが。
その後「少し記憶が寝かされた状態でもう一度練り直し」が発生します。睡眠中とかによくある「こびとさん現象」ですね。
で、こびとさん達によって「よりよいアイデア」とか「新たな発見」とかが出てきちゃうですよ。
なので「しゃべらせて」「寝かせて」を、最低でも数回ほどループする事で。イメージがガッツリと固まりますし、いい加減その頃には「聞き飽きたフレーズ」が出てくるので、お客様のニーズのcore部分とかが浮き彫りになるわけですね。耳に出来たタコとともに(笑


…っていう落ち着いたシステム開発をしとぉございます orz
おいといて。


なので。
お客様が「欲しい」というものをそのまま作るのは。概ね愚の骨頂です。
お客様が「欲しいと言った」ものではなくて。それが欲しいと思う根っこにある「今欠けている、必要なもの」をお客様にご提案してみましょう。
多分、お互いが一番幸せになれるんじゃないかと、私は思ってます。