ちょいと長々っとした文章になりますが。
和服には。洗い張りというものがあります。…文化、っておいちゃんは呼称したいなぁ、と思うのですが、おいといて。
簡単に書きますと…
・一端着物の糸を全部ほどいて「一枚の反物」に縫い直して
・反物として洗い直し、また水によって張り詰めた縦糸横糸を緩め
・布地のいたんだ部分を少しずらしたり裏にもっていったりして仕立て直しする
一連の作業をいいます。
この作業のお陰で、和服は二代三代にわたって着続ける事ができるわけなのですが。
ひとつに。これは「和服が全て布に対して90度に切断をする」事もまた、大切な要素な訳で。
だからこそ「糸をほどいてまた一反の布にもどせる」わけです。
曲線での裁断を基準にしている洋服ではまねの出来ないことなのではあります。
洋服も和服も、もちろん「同じ布を用いた」「身に纏う服」なのですが。
その根底に流れる思想は、まぁぶっちゃけ色々と違うわけです。
多分。
この話を読んで「じゃぁ洋服で洗い張りする」なんて考える人は皆無だと思うのですが。理由は簡単で「そもそもそういう発想を前提にした作り方になっていない」わけですし(糸をほどいて洗って、まではギリギリどうにかなるとしても、いたんだところを裏にもっていって、的な融通まではまずききませんから)。
システムで。
ほぼ全く同じ状態で「安く作った洋服」に対して「なぜ洗い張り出来ないんだ」とわめいている人。いませんか？
ふと先日、思ったので軽く。
