がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

プロデューサとぷろでうさの狭間

あぁ…なんか色々と山盛りで「思うところ、ありおりはべりいまそかり」な内容だったので。


元ネタは此方。
本当に「電通博報堂は丸投げで中抜きしかやらない」のか
http://copywriterseyes.hatenablog.jp/entry/2014/05/05/232146


んと…「実際にどうなのか」とかにはあんまり興味がないので。いやお仕事させて頂いた経験はございますが、ピンポイント過ぎるので、その辺はオミット。
書きたいのは、ここから思い出す「プロデューサとぷろでうさ」のお話なんで、その辺を展開させていただきます。


最近、割と立て続けに「滅びたほうがいいんじゃねぇか」ってぷろでうさと、一方で「あぁこの方とはまた是非ご一緒させていただきたい」と感じるプロデューサさんと、を、拝見しております。
「何が違うんだろう」と考えるのも馬鹿らしいくらいに違うのですが、とは言えまぁ「何が違うのか、を口伝で伝える」のもまた無益ではなかろう、と思いますので。


まず「プロデューサ」の定義を簡単に。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC

制作活動の予算調達や管理、スタッフの人事などをつかさどり、制作全体を統括する職務。ディレクターよりも広範囲な権限を有し、制作物の商業的な成否について責任をもつ。

大体、用法としては
・プロデューサが全権を一端握り
・ディレクターが、そのうち「作品のクォリティ」について全権を委譲される
ってのが一般的かと思われます。つまり、ベン図的に、プロデューサが「一番外側の円」な訳ですね。


まず「またご縁があれば是非ご一緒させて頂きたいというかチャンスがあればご縁を積極的につなぎたい」と思う方がいらっしゃいました。
ん…先に「デメリットや欠点(に見える所)」を書いておきますと。
かなりの無茶ぶりを、質量期間の3軸で平然と言い放ちます。
で。当人も「無茶ぶり」なのは分かっているので。どうなるかっていうと「交渉」に入るわけなのですが、素晴らしいのが「優先順位が大変に明確」な御仁だったので。「どこが重要でどこは切り捨ててもよいのか」っていう辺りの判断基準が、滅茶苦茶にクリアで且つぶれないんですね。
「唯々諾々と上意下達で言われるがままに手を動かす」技術者だと多分つらいンだと思うのですが、おいちゃん的には「これほどやりやすい人」というのもなかなかにおらんだろう、レベルで、大変によろしゅうございました。


で…彼が素晴らしいのは
・自分が一端「全権を握っている」事を踏まえている
・ちゃんと「依頼と委譲をする」事を理解し、区画を適切に切り分けてやっている
・「依頼と委譲」をしても、自分が責任を取る、っていう腹の括りが見て取れる
・「依頼と委譲」をする相手に適切に「質問」をする。言い方を変えると「相手の専門性に敬意を払う」
あたり、でしょうか。
上で仕切る人として、必要ではあるんだけど「なかなかこれが出来る人も少ないよねぇ」な感じの、素晴らしい御仁でした。


翻りまして。おいちゃんがよく「ぷろでうさ」と蔑称する連中ですが。
つまりは上述が出来ていないんですね。
ざっくりと混ぜてみますが…
・思いつきでしゃべるが、責任を取ろうという腹の括りが見えない:すぐに逃げを打つ:故に、背景に「スキルとか思考とか知識とか経験とか」の重量が感じられない
・質問に対して、そもそも考えがないから、きちんとした回答が出せずにすぐに口籠もる
・相手の専門性を尊重しないので、地雷を踏むような発言をする。その上で「質問」をすると、すぐに逃げ出す
・「問題点」を指摘すると、感情的になり非難したり逃げたり変な判官贔屓をしたりする
なんていうのが基本でした。
そうそう彼らは割と一様に「全員の前で話せば良いようなこと/メーリングリストに投げれば良いような内容」を、わざわざ「恣意的に特定の人を外した、一部のclosedなところにだけ情報共有する」事を好んでました。
まぁ「嘘をついて情報を制限して全体の雰囲気と空気を都合が良いように操る」のが、彼らの処世術の基本なんだろうなぁ、とか、しみじみ思う訳ですよ。


で…
http://copywriterseyes.hatenablog.jp/entry/2014/05/05/232146

さて、
博報堂は何をしているかをざっくり言えば
1. 大きな枠組みを設計すること
2. 核になるアイデアを考えること
3. アクションを細分化し、制作部隊へ発注
という3つかなと考えています。

に、お話が繋がっていきます。
ちなみに

こう言ってしまうと「簡単そうじゃないか」と思えるけど、これは意外に大変な作業でして、訓練された組織でなければ、なかなかきれいに全体を設計することができません。そのあたりが大手広告代理店が持つ(数少ない)特有の能力だと考えています。

ってのも、案外と色々、重要なポイントです。


まず、上述を「真摯かつ真剣に」捕らえると、この3つを行うのは、まず前提として「広範囲かつ熟練度の高い知識と経験とスキル」が必要になりますし、故に全体として「難易度の高い」タスクである、と言えます。
「大きな枠組みの設計」は、少なくとも「個々の現場をある程度把握し、"全体を俯瞰する"というスキルを身につけ」た上で、ある程度「設計慣れしている、と言えるに足るだけの経験値」が必要になります。
「核になるアイデアを考える」のはもっと大変で。アイデアを「付け足して削って付け足して削って付け足して削って付け足して削って…」という作業の中で「本質を見失わないようにしつつよりよいものを探す為に常に新しい知識を入れつつ」という、これもまた高いスキルが要求されます。
「アクションを細分化し、制作部隊へ発注」あたりになると最早目眩がしそうなくらい面倒で。つまり「やりたい事をWBSレベルに分解する」で高すぎる1ハードル、その後「適切な発注」と、発注をしたからには当然ながら「その後の管理とハンドリング」と、その後出てくる「全体調整」とか「トラブル対応」とかがワンセットで「想定外もご一緒に如何ですか?」と、ポテトのように山盛りで想定外が降って湧いてくるあたりも以下略。


というわけで「訓練された組織でなければ、なかなかきれいに全体を設計することができません。」というのは、真摯に捕らえる場合において、おおよそ事実です。


さて先ほどから「真摯」という単語をバーゲンセールのようにばらまいておりますが。
では「真摯ではない」と、どうなるんでしょうか?


「大きな枠組みの設計」は、なんか抽象的でよく分からない言葉を適当につなげて並べるとなんとかなります。
「核になるアイデア」は、適当に思いつきをいくつか書いて、後はいくつか選択すればよいです。選択は、ダーツでもサイコロでもなんでもOK。
「アクションを細分化し、制作部隊へ発注」ですが。まず「細分化」はしなくてもよくて、「発注」は丸投げしてしまえばよいです。
勿論現場では物凄い、きっと「白い炎」が燃え上がりますが、札びらでビンタするか、契約書と法的恫喝あたりでビンタすれば黙りますんでOKです。全ての「遅延原因」と「トラブルの要因」は、「現場のスキルが低いから」です


…書いてて目眩がしてきますが、まぁこんなもんです。


上の方で管理したりプロデュースしたりする仕事っていうのは「一見簡単で雑に見えますが、実はハイスペックが必要で難易度が高くてバックグラウンドが大量に必要で地味で地道で丁寧なお仕事」です。
でも「一見簡単で雑に見え」るので、そのまま「簡単で雑」なお仕事をして、そのしわ寄せを「全部下に寄せる」輩が一定数いるわけですね*1


元記事をみて「反感を感じる」人の何割かは、勝手な予想ですが、「そーゆー馬鹿」とご一緒なさった経験があったりして、その時のトラウマがフラッシュバックしてたりするんじゃないでしょうか? とか思わなくもないわけです。


まぁ。
「人の上に立つ」ってのは実は物凄く「面倒だし大変だし神経使うしぶっちゃけぱしりにならなきゃいけない」んですが。
その辺を理解せずに「立っちゃってる」御仁を見るたびに「ご一緒したくねぇなぁ」と思いつつ、近寄ってきたら、一定の「ご理解」が頂けるように「調教」に走るわけなんですねぶっちゃけ。


なので、時々おいちゃんは一部の方々から「あの人怖い」とか「あの人はワンマンだ」とか「他人の話を聞かない人だ」って言われてますが。
つまりそれは「そーゆー事」なんだ、とご理解いただいた上で、お互いに「交わらないように」シアワセに過ごしていければなぁ、と思う次第でございます。

*1:比率とか知らないし。「大半がそうだよねぇ」とかいうつもりもありません…思ってたとしても