ネタ元。
日本人はバカになったのか？
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20071219/143430/?P=1
読んでて…逆の方向にちょっと怖くなってしまった。
そも「読解力」って単語で警告アンテナが立つですが。
たとえば…
「それいくつありますか？」と袋を見て聞くと、
売り子は「さあ」と首を傾げた。「いくつあるか今、見れば分かるんじゃないんですか？」と
ワゴンを指差して言うと、売り子は困った顔をして答えた。「ナッツが何粒入っているかは、袋の中を数えたことがないので分かりません」
このやり取りにおいて。確かに売り子もヌルイんだけど、質問してる筆者も「何袋ありますか？」聞けば一発なのに、その辺ができてない(まぁこの後のやり取りで「何袋？」と聞いてるのだけれど)。
「乗車券・特急券を拝見いたします」と一人ひとり全員に毎回同じ言葉を発するので、私は、隣の座席の人がチケットを渡すと同時に、私もチケットを車掌に向かって突き出し、前のめりになって車掌の目を見続けた。つまり、「わかっています。はい、これがチケット。いちいち言わなくてももう差し出しています」ということを姿勢と視線で主張したわけだ。
しかし、車掌は私の目を見て言った。
「乗車券・特急券を拝見いたします」
私は、「そやから、出しているやろ！」と叫びたくなるのを飲み込んだ。
別に「出してくれ」ではなくて「拝見いたします」なので。どっちかというと「丁寧に発言してる」だけなんじゃなかろうか？
もし、この車掌に“読解力”とやらがあれば、自分の喋る言葉が、チケットを差し出してほしい相手に向けて、それを促すために発する言葉であることを理解できただろう。
そうとは限らない。これが「乗車券・特急券を出していただけますか？」ならtrueなのだが。
女性店員に「天ぷらうどんください」と言った。
店員は、「うどんと、そばとありますが･･･」と言うので、もう一度言った。
「天ぷら“うどん”ください」
多分実情をしらない。いやまぁどこに問題があるかはともかくとして。
天ぷらうどんくださいといって天そばを欲しがる人を、困ったことに何度も見ている。「天ぷらうどん、そばでください」って単語も耳にしている。
で、その辺を踏まえると。「そばかうどんか」という問いは、安全のために「わざわざ別だてで聞かなきゃ事故る」可能性があるだろうし、店員さんがそーゆー経験を経て、いやな学習にいたった可能性は否定できない。
家に帰ると電球が切れていて部屋が暗かった。
出かける時に、お掃除サービスの担当者に頼んだ。
「電球が切れて部屋が暗いから、切れた電球を替えておいてください」家に戻ると、置手紙があった。
「家中の電球すべてを替えました。点いている電球も念のために替えておきました」
全部新しくなった電球でまぶしすぎる部屋にたたずみながら思った。「切れた電球“のみ”を替えてください。点いている電球は替えなくていいです」と言わなかった、私が、悪い････。
これについても「前回いっせいに取り替えたと仮定すると、今切れていない電球もすぐに切れる可能性がある、が１点。光度やらいろやらが違う電球になると気にする人がいる、が１点。」ってあたりから「かえるときはまとめて」っていう気を利かせる考え方も、存在している。
かくしてこの単語が、どうしても違う意味に読めてしまう。
“読解力”というが、読んで理解する力というより、まず言葉自体がきちんと届かない。
表情も、姿勢も、あらゆるメッセージツールが届かない。そしてあらゆる会話が過剰にマニュアル化されている。マニュアル化したからメッセージが遮断されたのか、メッセージが届かないからマニュアル化を必要としたのか、どっちが先か分からないが、それらは現在、相乗効果となって加速しているように見える。しかし嘆いていたところで仕方がない。こっちがそれに対応できるようになるしかない。
丁寧に正確に長くくどく、来日したばかりの外国人に喋るように話すのだ。
暗黙を、心でも読むか又は常識という偏見の名の下に、「あたしにとって都合がよいように」解釈してくれ。
何が怖いって「発言していないけどあたしの中では常識だから」を「読解力」の名の元に正当化されてしまうこと。
これが「システムの仕様決め」あたりで行われたときの寒さといったらなんていうかマヒャド級です。ladalto級かもしれない。
あと。「経験則による事前防御」が否定されてしまうあたりもかなり怖いですね。
遙洋子さんが言っている内容が「まったく理解できない」というわけではないのですが。
逆がわを考えたときに、よりおぞましい状況が予想できるだけに…どうしてもうなずききれないなぁと。
ま、状況が「システム」限定なので、あまり一般側ではないのかもしれませんが :-P
