がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

業務用とプロ用

なんかつらつらっと思ったので。


業務用もプロ用も、概ね「稼ぐためのエトセトラなエトランゼ」って意味では一緒なのですが。
中身っつか、根っこにある考え方とかその前提とかが、エライコト乖離しているような気がします。
っていうあたりを駄文重ねて考察するのが今回の目的。


まずは共通点から。
どちらも「稼ぐために必要」な「実利を追い求める用」です。
これと比較されるものは大まかには「アマチュア」であり、その差違は「利益を念頭(のなかでも割と前の方に)置くか置かないか」になります。
是非のお話ではないのですが。アマチュアは、プロ/業務と比較して「自分の好みを追求する」傾向が高いんじゃないかと思ってますっていうか好まないものを作るアマチュアリズムってなんだろう? おいちゃんの理解の範疇外です多分。


若干余談。
なんとなく、ですが。
プロフェッショナルと職人の違いとして。以前にに「成長/継承」の切り口から論じてみたのですが( http://d.hatena.ne.jp/gallu/20080425/p3 )。
それ以外の視点としてプロは「好みでなくとも業務ならやる:感情を切り捨てる」に対して職人は「好みと業務の落としどころを探そうとする:自分の感性を大切にする」ような気が少ししてます(場所によってもそ〜と〜ニュアンスが異なるので、飽くまで一例ですが)。
おいちゃんは、その点においても、あきらかに職人。
「仕事なんだから感情抜きで」ってのは一見格好良い発言ですが、実際にはクオリティとかに結構如実に色々出ると思うし。っつかおいちゃんには無理だな、一定以上「好まない」仕事は。
そも「好まない理由」が大抵の場合、技術的見地に根ざしたところでちゃんとあるしねぇ B-p
どっちかというと、その辺の「魂(ゴースト)のささやき」を大切にしているほうです。


閑話休題


んじゃ「業務用」と「プロ用」とで何が違うんだろう? という本題をそろそろ。
一言でまとめると「素人前提」vs「熟練前提」の違い。
業務用(の道具)の前提にあるのは「素人にやらせてもある程度のモノが仕上がってくる」イメージ。
プロ用(の道具)の前提にあるのは「熟練してなきゃ使いこなすどころか普通に使うのも無理だよ」ってイメージ。


この辺、少し状況を熟成させると、違いが如実に表れてみたりするあたりが愉快愉快。


業務用を突き進めると。それはつまり「より素人でも、よりそれなりのものが事故なく恙無く仕上がる」ことを意味するので。
えと…綺麗な言葉で飾ると「より高レベルの標準化によって、作業員の安全性を確保しつつ属人性をさらに排除」。平たくすると「誰でも安全にできる」*1
そうなるとどうなるかってぇと……
「誰でも出来る」んだから、とりあえず「若いの」をチョイス。「誰でも出来る」んだから教育コストなんかかけちゃらんないし、社会経験が少ないから逆らってこないし、体力あるから酷使できるし。潰れたら新しい求人広告で次の摩耗部品を「ゲットだぜ」。教育コストが限りなく0って事は「入社したその日から即戦力」なので、高い摩耗度からくる高頻度な従業員の入れ替えにも難なく対応ばっちぐ〜。
事故に関しては2種類。過去に多かったのは「踏みつぶして札束で往復ビンタしてもみ消す」。最近は「過剰なくらいに安全に」。どっちもその基準は「そのほうがより安いコストでどうにか出来るから」。
人件費が大幅に削減できるので商品の値段も下げられるし。経営する側からすると「商売的にはうまうま〜」なイメージでしょうか。


プロ用は、突き進めるまでもなく「高レベルスキル」が前提なので。
とりあえず育てなきゃいけないので教育がお仕事の一環に入るので、結果として特に序盤において「面倒でつまらないお仕事」が割り当てられる事多々。高レベルスキルを得るからには「ある程度の忍耐力」とかは不可欠なので、先にその辺の適正みてふるいにかけておかないと教育コストがかさみっぱなし。
「この人じゃないと出来ない」とかいうものも少なからずありありっていうかそれをどうやって下に伝承させていくかがキモ。でもそれって「教える」ってより下が意欲的に「学ぶ」って方向性かなぁ。
ただそれだけ教育コストをかけるので、ある程度人間を大切にするっていうか、少なくとも従業員を「入れ替えのきく摩耗品」とは見なさないんじゃないかと思う。
その一方で、経営としては少々シビアになる可能性が多々。というかとりあえず「一山あてて濡れ手に粟で後は野となれ山となれ」的なブン回しはできないざんす。残念。


そんなあたりをもうちょっと切り込んでいくと。


業務用にとってのルールってのは「絶対神聖視されるべき存在」なので、ルール外なんてもってのほか。
コンテキスト(状況)に応じた、なんて曖昧な基準は不許可。どこまでも明示的なロジックに従って下さい、まる。
プロ用にとってのルールってのは「必要に応じて破るモノ」。所詮その程度。
型が出来てなきゃ形無しだけど、型が出来た上で横紙破りするんならそれは「型破り」。それはそれでありじゃない? 的なイメージ。


相変わらず「んじゃどっちがいいの?」って問いには「しらん」の一言ですませますが。
とりあえずおいちゃんは「形骸化して没個性な業務用」には、あんまし食指動かないですねぇっていうか身動きが取りにくい。
そもお客様の要求なんて常に「何割かは狂ってる」わけですし B-p
んで、その奇異な要求に対応する必要があるからこそのプロフェッショナルだと思っているので。


皆さんは。
業務用とプロ用と、どっちのほうがお好みですか?

*1:時々「作業員の安全」が楽しいくらいに遠くに追いやられますが、やはり時々っていうかそこそこの頻度で「過剰なくらいに作業員フレンドリー」だったりもします B-p