がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

「1+1」は2を超えるのか?

よく「1+1を3にも4にもするんだ!」とかいうお話を耳にするのですが、色々と違和感があるのを一度は「まとめておきたい」って思ったので。
いわゆる「チームビルド」とかいう辺りのお話でございます。


先に書いておくと、チームワークとかチームビルドとかの類いを否定するつもりは全くないです。
ただ「チームワーク"さえあれば"なんとかなる」的な所には巨大な疑問を持っているので、その辺突っ込んでみたいかなぁ、と。


正直に書くと。
例えばレベル5の人間がどんだけチームワークをよくしても、全体として出来るのは「レベル5まで」のものだと思います。
それを「超えられる」っていう発想はないですし、ぶっちゃけ理解も出来ないです。
ギリギリ近しいところで「レベル4とレベル6が仕事をしてたら、レベル4が引きずられるように5になったりする」ケースは、教育的なニュアンス込みであるので、その辺は否定しないです。
また、そこを真面目に突き詰めていくと実は「レベル6がレベル7になりうる」角度が存在するのですが、そんなに恒常的なケースではなかろうと思われるので、一端、外します*1
ヒントを書くと「自分の不得手な所を他の人が刺激してくれることでメインルートに気付きがあり伸び悩んでたところが以下略」的な方向性。そうそう期待していいモンでもないですが「皆無って訳でもない」辺りが微妙なところ。


で。
んと…おいちゃんのこの辺の思考のベースは、多分「アミノ酸の桶」って呼ばれるものになります。
栄養学方面の用語ですが、まぁ適宜各人ともググってくださいませ。
文章もよいのですが、画像検索すると、イメージしやすいかもしれません。


基本的に各メンバーは「複数枚の桶板を持っている」状態なので(多分)。
「チームが要求されているタスクなりプロジェクトなり」のここの作業で、「誰か一番高い桶板を持っている人」がそのタスクをまかなうことで、全体としては限りなく「メンバーの一番高いレベル」に近いところ、までは持っていけるとは思うです。
ただつまり「全体としては限りなく「メンバーの一番高いレベル」に近いところ」まで、でしかないので。
それが全てではないにしても「各個人のスキルアップ」ってのは、やっぱり、重要な命題になります。


ちょろっと余り本題ではない横道にそれると。
「各桶板ごとに」一番高い人、ってのが当然出てくるわけなのですが。それが少数(ありがちなのが1〜2名)に集中すると、その1〜2名が死ぬるので、出来るだけ「分散して」桶板が高くなるようにするとよりよいでしょう。
まぁ、ある程度までのタスクは「比較優位」で割り振られるもんなのですが…あんまり突出して「全体的に低い桶板しかお手持ちにない」と本気で邪魔くさくなるので、注意しましょう。
特にIT系のお仕事の場合「マイナスの生産性」とか「生産性の逆噴射」とかいう現象が存在しますんで( http://d.hatena.ne.jp/gallu/20090315/p2 )、なおのこと注意。


ちなみにその辺が「あんまりヒドいのは排除するほうが早くね?」っていうおいちゃんの発想になります(without 成長の意欲がある子)。
「どんな人員でも使えてこそ」って発想は、正直、ないかな。「駄目な上に成長の見込みが見当たらない」なら、下手に「生産性逆噴射される」前に切ったほうが安全です。
「成長の見込みがある」時はなんとかしたいんだけど、その辺は「プロジェクトの懐具合次第」。
まぁ教育は「おいちゃん的に比重重め」なので説得はしたいんだけど、とはいえ「無い袖は振れない」って言われると、それでも、とはなかなか言いにくいあたりが大変に難儀ぃでございます。


さて。
ある程度バランスの良い人材がそろった前提で。
多分ここからが「チームビルド」の本題だと思っています。
端的には「生かせ素材。殺すな素材」これに尽きます。


上述書いてたのって全部「ギリギリまで素材が生かせる前提」なので。
「極限まで素材を殺す」運用したら、レベル5の人が、レベル1とか0とかヒドイとマイナスとかに、あっというまに駄々下がりします。
素材を生かすのは大変ですが、殺すのって案外簡単なんで B-p


ちなみに逆側の現実問題として。
チームで仕事をしていて、ある「特定の一名」が「本当になんの差し障りも無く100%力が発揮できる」ってのは、ほぼ無理だと思います。
どうしても多少なり「チームで仕事をしている以上発生する」、のりしろだの無駄だの余白だのコミュニケーションコストだの、ってのがあるので。
ただそれを「どこまで減らせるか」ってのは、特に「チームを仕切っている」人にとっては、重要なものなんじゃないかなぁ、と、そんな風に考えます。


勿論「特定のAさんを100%走らせるために、周りが結構がっつりと犠牲になりフォローして、Aさんの全力を、周囲が全力でサポートする」フォーメーションもありますが、基本、例外だと思った方がよいです。
…まぁつまり「例外」っていう程度には、その方法も「あり」ではあるのですが。
単純に状況次第。「期間限定」だと、状況によっては「あり」だったりするのですが、かなり「諸刃の刃」な手法なので、ご注意下さいませ。


閑話休題


そうすると、全体最適を基本にしつつ、如何に「メンバー全員に対して」阻害要因を減らせるか、ってのが、チームビルドとしては重要なのではないかなぁ、と、考える訳です。
ただ一方で「どうあがいても、構成メンバーを超える実力は出ない」とも考えられるので。
その辺りから「チームビルド」ってのが見えてくるのかなぁ、と、個人的には思います。


勿論状況的に「使い物にならん人材だけど切り捨てられないからどうにかしなきゃいけない」とかってあるのですが…ちなみにおいちゃんはその場合、飼い殺しするんですがね*2
それすらもかなわないような状態であれば、まぁ主眼はきっと「叩き出す成果物ではなく、"仲良くプロジェクトをおててつないで進めている"という空気」だと思われるので、その場合、成果物を犠牲にして、楽しくるんるんやるのもアリだとは思うのです。
それで会社が、プロジェクトが、お金が回るんなら。別に駄目を出す理由もないんで。


ただおいちゃんは「そこまで資金に潤沢に余裕がある」ところってあんまり見ないので。
そうすると、ある程度シビアに進める状況が必要なのと、ただとはいえ「後続を育てない」と、割と速やかに手詰まりになるので。
「最適効率を求めつつ教育はしたい」ってあたりを考えるとまぁ、それはそれで思うところも多々ある訳です。


こーゆーのを、つまり「全体最適を基本にしつつ、如何に「メンバー全員に対して」阻害要因を減らせるか、ってのが、チームビルドとしては重要なのではないかなぁ」ってのを考えると、しみじみと
http://d.hatena.ne.jp/gallu/20070215/p2
「マネジメントは 世話係。」だなぁ、とか思うわけです。


一方で、現場の人間は、出来るだけマネージャに(可能であれば)背中をあずけつつ。
とはいえ「自分の100%」なんて局所最適は、基本「全体としては非効率」になるので。その辺の葛藤を見て取りながら「無理のない範囲で」自分の陣地を広げつつ自分のスキルも高めつつ…なんてのが、おいちゃん的には「よひわひなぁ」とか思うわけなのですね。


まぁ「ンなもんでけっかい」とかいう理想論のような気もしますが。
この辺の「理想」って、もってないと、追いかけることすら出来ないもんでね。


などという、思考のまとまりきってない雑文を、つれづれ。

*1:体感している人は「え?出来るでしょ?」ってレベルでわかってると思いますし

*2:「伸びる可能性」が見て取れるんなら教育入れてもいいのですが…おいちゃん、見切るのが遅い分、おいちゃんが「コイツ駄目だ、って見切っちゃった」相手で「実は後で伸びた」っての見た事がないんで、おいちゃんが「見切った」ら、確実に見捨てると思われます