ん…最近色々と、フリーランスとか契約(派遣?請負?)とか、その辺での「お仕事の仕方とか、知っておくべき礼儀作法*1 とか」について考えることが多くなったのと*2、そのへんから「お仕事の仕方についてまとめてみようかなぁ」とかふと思ったので、その前哨戦として。
元ネタはこちら。
http://anond.hatelabo.jp/20130123112258
フリーランスという働き方を辞める事にした。
割と思うさまに突っ込んでみたい。
元々PhotoshopやIllustratorでデザインを作る事が好きだった俺は
コーディングの案件はほぼ請けずにデザインの案件だけで食ってきた。
経験が無くてもここまで仕事が来るものかと、天狗になってたんだ。
案件こなしてれば、見世物としての「経験」は積んでると思うんだけどねぇ。
まぁ、加齢するごとに、なにがしか「武器」を、定期的に積んでいかないと、どこかで詰む確率は上がるよね。
それまでは小規模な仕事しか請けてなかったが、とある代理店から3桁を超える中規模案件の獲得に成功した。
3桁を「超える」ってことは、一千数百万くらいの案件? 一端、二千万弱程度、を想定してみましょう。
まず大規模な案件を回すには金がいる。資金繰りってやつだ。
銀行に相談して300万ほど資金を調達した。
うんこの時点でダウトだと思う。
で…書いてないけど、多分「仕上がったら支払い」って契約してるんじゃないかなぁ?
工事進行基準とかが「なんで存在しているのか」を考えて、各関門ごとにお金もらわないと、多分回らないと思う&事故りやすいのと、事故った時に痛いと思う。
…こーゆー知識は絶対に先方は(どんな理由でか、はともかく)教えてくれないから、現場であるうちらが知っておかないといけないざんす。
案件が進むにつれ増えて行く修正と言う名の追加構築。
次々に変更される原稿。
来たれど来たれど金を請求できない日々。
単純に下請法違反に見えるんだけど?
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S31/S31HO120.html
例えば、第四条2の四
四 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした後に)給付をやり直させること。
ただ、こういうのも同じく「周りは教えてくれない」ので、自分で気づかなきゃいけないし、突っ込みも自力でやらないといけない。
ちなみに、こういう法律があるにもかかわらず「依頼した業務に関連する追加作業には追加費用を支払う必要は無い」とかぬけぬけと言い出す弁護士もいるので*3、その辺についての、一定の攻撃力&防御力も、手持ちに持っている必要がある。
端的には「マトモな脳みそと倫理観と品性がある弁護士」さんとつながっておくと楽。…「どこに居るの」とか聞かれると困るけど、存在はしているので。数とか比率とかは知らないけどさ。
おまけ。
下請適正取引等推進のためのガイドライン
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/guideline.htm
ってのがあるので、ここの
情報サービス・ソフトウェア産業における下請適正取引等の推進のためのガイドライン[PDF]
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/download/guideline/111128ITSS.pdf
を、何度かは「音読する」レベルで読んでおいたほうがいいと思う。
何かわずかに些細な事があったらとたんに「ホ〜リツ ホ〜リツ」と騒ぎ立てるのもどうかとは思うけど、必要な知識を持って「必要であれば」躊躇無くぶち込む程度の知識は、最低限必要になるから。
他の細かな案件で何とか食いつなぐ事にした俺は、1人では到底できない量の仕事を大量に請けた。
今思えば本当に馬鹿だったと思う。
無論1人当りのキャパを完全に超えた量の仕事を請けた俺は連日徹夜で作業を続けた。
当たり前だが疲れた体ではミス連発の悪循環が起き、体はボロボロ。
これ、てきめんに「心身とも」壊すんだよね orz
比喩でも冗談でもなく「寿命を削ります」。
あと、こうなってくるとどんどん視野が狭窄になるので。後で思うと「なんで相談しなかったんだろう?」って状態でも、誰にも相談せず、倒れるまで突き進んだりします orz
地獄のような案件がやっと終わった今月、確実な社会的信用を取り戻すために俺は会社員に戻る。
社会信用云々ってより「心身を癒やすために」ゆっくりしていただきたいなぁ、っと。
最近流行っているノマドやフリーランスという甘い言葉に決して騙されないで欲しい。
社会的信用、将来の生活保障、税金、年金。
これら全て、現状は会社員の方が待遇が厚くフリーランスの待遇なんてほぼ皆無と思っていいだろう。
そしてこの国は、個人事業主に対して更に重い圧力をかける政策を進めている。
この辺は概ね事実だと思う。
いやまぁじゃぁ「サラリーマンが保障されてるのか?」って聞かれると山盛りで困るが。
フリーランスになるという事は全ての責任を誰にも頼らずに自分自身で負うことだ。
”自由”という言葉は確かに魅力的かもしれないが、その代償は限りなく大きい。
フリーランスを推奨する輩が急速に増えているが
俺には地獄へ手招きしている様にしか見えない。
状況にも拠るし人にも拠ると思うんだが。
基本的には、フリーランスは「普通に会社に入って、適度に揉まれてある程度の知識とか経験とかを身につけたあと」にしたほうが、色々と安全だと思う。
自由って、多分ものすごく危ない概念。
フリーランスは「自由を手に入れる」んだけど。
その自由は「好きな時間に働く自由」や「好きな案件を選ぶ自由」だけじゃなくて、「イリーガルな重圧を受けて潰される自由」とか「案件がなくて心身共に壊れる自由」とか「食い詰めてドン詰まる自由」とか、んでもって「そんな時に誰にも助けてもらえない自由」とか、その辺まで全部ひっくるめての「自由が手に入る」から。
しっかりと考えて、十重二十重に予防策を打って、相談して、フリーランスってそこからでも遅くないと思う。
色々と「今までの経験」とオーバーラップさせつつ、走り書き。