どっちかってぇと「TRPGをすでにやっている人たちと議論をするための土台」というよりは「まだ一度もやったことがない人に向けての説明」って切り口を想定してますんで、そんな感じで。
イメージとしてベースにあると楽なのが、コンピュータのPRG(ドラクエとかFFとか)、あるいはオンラインゲームのMMORPG(FF14とか)あたり。
あれらは「人間が(ゲーム内の自分の分身である)キャラクターを動かして」「コンピュータが色々な処理(戦闘で攻撃が当たったかどうか?の判断とか)をする」ような感じですが。
この「コンピュータが色々な処理をする」の部分が人間になり(往々にして、マスターとかキーパーとかステラーとか呼ばれます)、「キャラクターを動かす人間(プレイヤー、と言う事が多いです)が複数人になる(あたりが、MMOっぽい)」感じです。
これを、往々にして「複数人でテーブル(卓)を囲んで」「言葉を使って会話をしながら」RPGを楽しむので「テーブルトークRPG(TRPG)」って呼称される……ってな説明が多いかと思います。
なので、(まぁコンピュータの補助があるかもしれないけど、基本的には)人間が処理をして人間がキャラクタを動かして遊ぶ、ので、がっつり「人間と人間のゲーム」になります。ボードゲームとかウォーシミュレーションとかと一緒ですねその辺は。
人間がルールの処理をするので、創意工夫や提案などを盛り込む余地がある事も多く、人によって色々な楽しみ方ができるのは、魅力の一つだと思います。
また、最近は、YouTubeなどで動画配信もあるようなので(その辺、おいちゃんは詳しくないのであまり深く言及ができないのですが)。
「楽しみ方は色々なので、そのうちの1バリエーションである」前提ではありますが、雰囲気などを知るために動画を見てみるのも楽しいと思います。
さて。
TRPGは、大まかに
・システム(ルール+世界観)
+サプリメント
・シナリオ
・「TRPGの楽しみ方」のターゲット
によって色々なバリエーションが出てくるかなぁ、と思っています。
以下、簡単にかみ砕いてみます。
システム(ルール+世界観)
TRPGは「ゲーム」なので、ゲームのルールが記載されているもの(本)があります。これが「システム」と呼ばれるものです。
有名どころは……書くと偏りがあるので色々と言われそうではありますが、「クトゥルフ神話TRPG」「シノビガミ」「ソード・ワールド」「シャドウラン」「ダブルクロス」「パラノイア」「ログ・ホライズン」「マギカロギア」「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などがあります(ほかにもまだいっぱい)。
また、多くのシステムは大体「世界観」を持っていて、それは例えばファンタジーだったりSFだったり現代社会だったりします(たまに「世界観を持たない」システムもありますが、その場合はサプリメント(後述)で追加される事が多いです)。
その世界観によって、例えば「いわゆるファンタジー世界なので魔法があって核とか家電とかはない」「現代社会なんでネットとコンピュータはあるけど魔法も超能力もない。なおこの世界では日本でも銃器を持てるし使える」なんていう「そのシステム(世界観)の中での"常識"」が、大雑把だったり細かくだったりしますが、定義されていきます。
なので「システム」が決まると「ゲームを行う上でのルール」と「基本的な世界観」が(ある程度)決まります。
(マスター側としては「やりたいこと」から「それにマッチする世界観やルール(=システム)を選択する」事も多いです)
サプリメント
TRPGでサプリメント(とかエキスパンションとか拡張ルールとか)と書かれると、それは「ルールや世界観に追加を与えるもの」になります。
これによって、「新しい世界観が追加」されたり「今まで謎だった**が明らかに」なったり「新しい武器や道具や能力やその他のルールが増えたり足されたり」します。
たまに「以前のルールで、明らかに問題があったものの修正」が入る事もありますね。
シナリオ
基本的には「マスターが用意するもの」です(自作か他作かはともかく)。
TRPGでは、1回分のゲームを「セッション」と言いますが。「今日のセッションはどんな感じの流れなのか」が、大雑把だったり詳細だったりしますが、書いているのがシナリオです。
たまに「このシステムの本来の世界観はAだけど、今回のシナリオはBの世界観でやります」といった感じで世界観が変わったりする事もあります、ので、「今日のシナリオはどんな感じなのか」はちゃんと聞いておくとよいでしょう。
「TRPGの楽しみ方」のターゲット
善し悪しではないのですが、TRPGは人によって「色々な楽しみ方ができる」ので、「なにを楽しみたいのか」を、大枠くらいではすりあわせておいたほうがよいと思います。
「何を重視してプレイするか」で……
・TRPGは元々シミュレーションから発生しているので「戦闘などを、ルールに厳密に則って処理する」楽しみ方があります。
・扱っているキャラクタの「役割」や「性格」を重視して、そのキャラクター(の性格、または役割)を「演じる」楽しみ方があります。
・シナリオと(大抵は複数の)キャラクタがセッションをしていくと、それはさながら「一つの物語」のようになる事もあります。そんな「物語を紡ぐ」楽しみ方があります。
・シナリオの多くは「謎の解明」や「ダンジョンのクリア」などわかりやすい目標がある事も多く、そういった「出された問題をクリアする」楽しみ方があります。
→ この「クリア」も、「パーティでクリアする」楽しみや「他の人を出し抜いて自分が利益をたくさん得る」楽しみ方などがあります。
・また、最近は動画で配信する事もあるので、「外に魅せるように演技したり台詞回しを工夫したりして、配信の反応などを楽しむ」楽しみ方があります。
上述は必ずしも排他ではないのですが。
例えば「どちらかというと現実っぽいシビアさとルールの厳格さを楽しむ」傾向と「どちらかというとドラマチックで劇的で主人公補正を楽しむ」傾向は、比較的混ざりにくいので。
「どんな楽しみ方をしたいのか」のすりあわせは、相応に重要だと思います。
また併せて「自分が好まない楽しみ方」は、あくまでも「Not for meなだけ」であることも踏まえておくとよいでしょう。
最後に
身も蓋もない話なのですが、「人間同士の遊び」なので、相性も相応に重要になってきます。
相性のよいマスターさんやプレイヤーさん、というのがある一方で、相性が悪いマスターさんやプレイヤーさんもいるか、と思いますので。
一つには「第一印象を大切に」しつつ、なんどか遊んでみるとよいと思います。
また、初めてTRPGをやる時。オフラインのセッション(コンベンション、というものが定期的に、有志によって開かれています)の時は。
最低限「筆記用具(シャープペンシルと消しゴム)」を持参するとよいでしょう。
通常、サイコロ(ダイス)も必要になるのですが、少し特殊なサイコロが必要な事もあるので、大体の場合は「マスター(か親切なプレイヤー)が貸してくれる」ので、あんまり気にしなくてよいと思います。
プレイするときは「どんな事をしたいのか」をできるだけ明確にして、それをマスターに伝えてみると、事故が減ると思います。
「どんな事をしたいか」はそんなに大上段に構えなくてもよいので。マスターの説明などを聞いて「あ、これ面白そう」と思ったらそれを伝えてみる、くらいから始めてみてもよいかと思います。
そうして、なんどかプレイして楽しかったら、好きなシステムで使うサイコロを買ったり、システムを(購入可能なシステムなら)購入してみるとよいでしょう。
May the "Nice TRPG" be with you.