がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

都合よくねじ曲げてから怒る人たち

んと…ちと雑感。


最近わりとよく見かける光景なのですが。職種問わず、専門家ほど「まず否定から入る」傾向が強いように感じます。
あちこちで否定されていて、まぁその否定の理由はわかるのですが。
同じくらいに「それでも専門家が否定から入らざるを得ない環境に往々にして成りうる」こともまた事実で。
そのあたりについて、ざらりんと雑感を。


技術的に「困難」であったりする事ってのは多々あるです。
例えば。smtpで「確実に且つリアルタイムにメールをとばす」のは、これは無理です…なんてのは好例。
でも「多くの場合において」確実に且つリアルタイムにメールが届くのも、今であれば、おおむね事実。


さて。
ここでいわゆる「企画屋」とか呼ばれる、技術にあまり明るくない人物がいます。彼が「メールのリアルタイム性」に注目して、一つのサービスを考えます*1
彼は技術者にアイデアをぶちまけます。


落とし穴その1。
…ぶちまけられた技術者も「smtpが割合に大雑把なプロトコルである」事を知りませんでした。
………合掌。


\(・_\)ソノハナシハ (/_・)/コッチニオイトイテ


落とし穴その2。
技術者さんは「おおむね大丈夫」なので、まず肯定的な返事をして、そのまま話を盛り上げてしまいました。
そうすると、しばらくしてから「遅延の可能性」とかいう話をしても、もう耳もかしてもらえません。
或いは「盛り上がった空気」で、遅延の可能性を言い出せない可能性すらありえます。
………合掌。


\(・_\)モイッチョコレモ (/_・)/コッチニオイトイテ


まともな技術者なら多分こう進言します。
「面白いアイデアだとは思いますがメールが100%確実にしかもリアルタイムに届く保証なんてないんですよ?」
でまぁさらにグッドな技術者なら、企画屋さんのやりたい事の根っこから、代替え案とか出してみたりするわけですが反射的に出る人はきわめてまれです。


少なくも私が過去に関わった「企画屋」と呼ばれる類の種族は、ここでこう答えます。
「なんで? んじゃ100%リアルタイムに届くようにしてよ」


まぁ無理な話です新しいプロトコルでも開発すりゃ別ですが。
そのあたりを説明すると、おおむねこういう反応に変化します。
「いいよとりあえず最大限努力してよそれでいいから」
ベストエフォートってやつです。


問題は。企画屋さんが「瞬時に脳みそん中でシミュレーションをしてある程度ベストエフォートでもいけるって判断した」なら、何も文句は言いません。
大抵の場合「反対されたのが気にくわなくてとにかく自分のないすなアイデアを形にしたいから」押し通してるだけです。目をつぶれば相手から見つからず、耳をふさげば相手は何も聞こえないのと一緒です。理解しなければ遅延なんて発生しないのです。


ここで「そこそこ修羅場くぐった」技術者は、念のために布石を張ります。
大抵の場合メールで「100%は無理だからね」「それでもいいって言ったのはあんただからね」という趣旨のメールを、オブラートで厳重にくるんだりくるまなかったりしながら送ります。


サービスが開始されて。…まぁメールですものそのうちトラブります。昨今ですと、ある瞬間のメール送信量が一定を超えると割とすぐに訪れるフェーズですね B-P
多くの場合ユーザクレームから発覚して、企画屋さんの耳に届きます。
その頃にはっていうかはじめっから「遅延の可能性」とか「未到達の可能性」なんて実は未考慮だった企画屋さんは、技術者さんをなじります。「こうなる事が予見できなかったのか?!」「なぜちゃんと対策をとらない!!」その他。
「100%は無理だって言ったよねぇ」的な話をしても大抵は通らず。ちなみに高い確率でメールすら無効扱いされます(曰く「わからなかった」「こんな風になるとは思わなかった」など)。


こういった経験を経るうちに。専門家であればあるほど、どうしても会話が「否定から入る」傾向が高くなっているように感じます。
っつか。そもそも「100%」というのは非常に高いハードルだと思うのですが如何なものでしょうか?
具体的には、知っているかぎり本当の意味で100%が保証できる職業なんてないんじゃないかと思ってます。
が…どうも、一部の方々には、それを御理解いただきにくいような気がするのは気のせいでしょうか?


ここから何を読み取るのかは読み手の皆様にお任せするとして。
…何カ所か「嫌な循環から逃げる場所」は多分あるのですが。みなさんはどの辺で逃げられてますか? 或いは逃げられずに絡み取られてますか?

*1:再開予定ですが。以前私も「スケジュールメール」なる「メールであなたの大切な時間をお知らせ」ってサービスをやってました。当然ながら「リアルタイム性がまったく保証できない」ので永久に無料予定です