がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

「元技術者(もどき)」がハマりがちな落とし穴

元ネタはこちら。


「技術者」がハマりがちな「優越感」という名の落とし穴 。
http://1yg.net/archives/779


話している内容が「完全に壊れている」わけではないのですが…比較的ありがちな、かつ「わりと面倒な」論旨を含んでいたので。
ちょうど他の件もあってこのあたりに言及しておきたかったので、覚書をかねて。


まずは軽いジャブ。

自分は以前「技術者」という肩書のもと仕事をしていた時期はあるものの「技術」というものを持っているかといえば持ってない。

まぁ「"技術を持っている"っていう状態の定義」も難しくはあるのですが、ただ「お客様に対して売り物にしている」技術を、ここまではっきり「無い」って名言するのも如何なものなのかなぁ、と。
以前もこの方
http://1yg.net/archives/554

自分自身、短期間とはいえ、プログラマ だとか システムエンジニア だとか、肩書きだけもらって仕事をしていた時期がある。


だからといって特技「プログラミング」と言える程得意でも無いし、「プログラミングが出来るか?」と聞かれて素直に「はい」と言えるだけの技術や知識が有るわけでもない。
せいぜいマニュアルを見ながらせこせこ組む事が出来るレベル。

っておっしゃってましたしねぇ…って前提条件があるだけになおのこと。


で…これもまたひとつのパターンなのですが。
「以前少しだけプログラマとかやってたからエンジニア/技術/プログラムのことをオレはわかる!!」っていうのは、わりと危険なテンプレートです。
とりあえず「やったことがある [分厚い壁] 出来る [超分厚い壁] 習熟している」のそれぞれの壁の厚さを、もう少し真摯に考えてみましょう。
まぁそういう意味では、Blog主さんは「僕理解してる!!」という書き方はしていないので、そのあたりはまだ「マシかなぁ」と。


ちなみに…例えばピアノ。「3日間鍵盤に触ってなかったら、それを取り返すのに一週間以上かかる」程度なもんだそうです、ある程度以上上のほうにいくと。
「小さいころピアノを何年か習っていたの〜」との間にある、言葉にするのも面倒な隔たりを感じ取ってください。


閑話休題


なお、以下とりあえずまず「技術者有利な目線」で。後で「身内に辛い」目線が入りますw

例えば、顧客との打ち合わせで、顧客がポロっとこぼした事を拾い上げて「技術者的な見方」から顧客の意見を徹底的に叩きのめすSEとかも稀にいた。

答え。
叩きのめしておかないと後で禍根が残りまくり倒すから。


一定の確率で。「お客様が口を滑らした」内容は、別に滑っているわけじゃなくて「本人的には十二分に重要」だったりすることが多々あります。
ちなみに某営業さんにいわく「口に出して相手が明示的に否定しなければ、それは承諾したものとみなすのが営業です」とのこと(だから、曖昧な相槌も打ってはいけません。はっきりと「Yes」または「No」と答えること…ただ「前提条件付きのYes」は往々にして前提条件が失われて「無条件でYes」にすりかえられちゃいますが orz)。
別ラインだと…「技術的に可能です」と「今回の予算的にincludeできます」は別の話なのですが、「技術的にはどうなんですか?」とか質問をしておいて後で「出来るって言ったんだから予算内でincludeするのは当然です」とか言い放つ営業とか。
さらに別ラインだと「とりあえず参考程度の資料として」って送ってきたExcelを後日「渡したんだから全部見積もりの中で実装するのは当然です!!」とか言い放つとか。
そんなやくざな感覚には付いていけませんが、とはいえ「そーゆー土壌を持っている営業が一定確率以上の割合で存在する」以上、危険な発言は「速やかにつぶしておく」必要があります。
# 上述………全部事実かつ実体験 orz

「技術屋」であっても顧客と接する以上、「接客業」、主張のレベルを超えて「威嚇」するのはどうなんだろう、と思った記憶がある。

相手が「お客様」としての礼儀を踏まえていなければ、相応の威嚇は「護身として不可欠」だと思いますねぇ。

でもまぁ、そういう「必要以上」にプライドが高くて、発火性の高い「技術者」って、組織全体として考えると「マイナス」な印象。
だって、社の内外問わずに、トラブルの原因になりかねないもの。

ここも甘い。逆パターンが存在します。
つまり「お客様の唯々諾々になって、結果として組織の特に工数的な部分でものっそマイナスになる」エンジニア。
「お客様は神様です」は、少なくとも「客側がもってよい理論ではない」んですね。つまるところ契約の受発注である以上、双方は「対等な立場である」のが、当然ながら前提になっているはずなので。
…いやまぁ「対等になってないから下請法とかで法的に救済する必要性がでてきちゃうんだよねぇ」とかいう話はおいておくとして。


なので。必要に応じて「発火」も出来ないようなエンジニア(あるいはもうちょっと本来的には、営業)は、場合によっては「より一層深刻なレベルのトラブルを招きます」。
発火して「そのクライアント切っちゃったほうが」長期視野的にはメリットだったりする可能性も否定できないですしねぇ B-p


で、一番気になるポイントはここ。

技術力が高くてプライドも高くて社内の他の人間を見下すような偏屈な人を雇うくらいなら、技術力が人並でコミュニケーション能力にたけた人を選ぶだろうし。
「技術職」と言っても、やっぱり最も大事なのは「コミュニケーション能力」なのではないかなぁ。と思った。

いち。
まずそもそもとして「技術力が人並」ってどれくらい? 具体的なものさしは?
に。
ちなみにこういった人たちのコミュニケーションっていうのは、正しくは「隷属能力」。平たく書くと「オレの言うことを聞け」。類似品として「僕は勉強していないしするつもりもないしだから理解する意思もないけど理解させろ」とか。その辺は http://d.hatena.ne.jp/gallu/20080112/p1 参照。
まとめて。
ぶっちゃけたところ。技術に暗くてよくわかっていない人ほど「技術なんて"並"程度でよい」「高レベルな技術よりコミュニケーションのほうが大切」っていう論旨を出してきます。
とりあえず意見を展開するのであれば、最低限「人並み、という技術はどの程度をさしていて、なぜその程度の技術があればよいのか」について、証明はできないにしてもせめて持論くらい展開しなきゃねぇ、って思うです。


ついでに言うと、厳密にはこゆ理論展開をしてよいのは「ずば抜けた技術を本人が手に入れてから」。
んと…「学歴なんて関係ない!!」という話があると思うのですが、その発言を「最終学歴が高校卒業の人」が発言をするのと「東大卒業後大学院にいかずに直接助手になっちゃうような人」が発言をするのと、どっちがより説得力がありますか?
相手の土壌に踏み込まずに叫んでいる限り、結局のところそれは「部外者の見当違いなわめき」にしかならないですよ。


んと…総括して。
「経験が無いに等しいほど浅いのにしたり顔でその業界に対するお気軽な発言をしたあと、そのお気軽な発言で実害をこうむりそうな実務レベルの方々に突っ込まれたさいの逃げ方というか言い訳の仕方」としてわりと「テンプレートだなぁ」って思ったので取り上げてみました。


で、身内への辛口発言。
いち。
「お客様への説明をちゃんとしようね」の前に「ちゃんとお客様に説明できる程度に、基礎から応用までをちゃんと理解しておきましょうね」。説明は「しない」ものではあっても「できない」のはまずいんですから。
に。
お客様への威嚇は「営業に、一声かけて、締め上げて」から。宣戦布告は大切なお作法です B-p
さん。
笑顔と言葉遣いくらいは覚えましょう。「慇懃無礼」って単語をまずはググるところから。エンジニアなら「感情を発散させる」ことよりも「より的確な打撃」へのロジックを冷静に組み立てる、くらいの芸は持ちましょう。


番外編。
可能なら、いきなりストレートを繰り出す前にまずは「仕込み針」から。うまくいけば相手が危険を察知してくれますし、そうでない場合はのちのストレートパンチの威力が増しますから B-p


…内容が黒いw