gallu’s blog

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

下手すると「学生を奴隷として使いつぶす方法」になるなぁ、と思ったので

元ネタはこちら。
IT業界に就職する一番の近道!スキル無し学生でも就活をせずに職を手に入れる方法
http://mineiyuki.com/improver/944/


んと。
上述のBlogの内容は「うまいこと回る」と、非常によい手法だと思われます。
実際、おいちゃんも近いことは考えてるしやってるし。


ただ一方で「気をつけるべきところを気をつけておかないと」びっくりするくらい巨大な落とし穴の可能性があります。
比喩でもなんでもなく「人生が強制終了してしまう」レベルの。
「可能性を秘めた種」が「愚かで下品な連中」によって食いつぶされてしまいたくないので、ちと、この文章を書いてみました。


で、先に但し書き。
上述URIのBlog主さんの取得(得手)分野は、どちらかというとプランニングやマーケティングです*1
一方で、おいちゃんの分野は当然のことながら「バリバリに技術視点」です。
なので、ある程度異なる部分もあるかとは思いますが、とはいえ大抵において「一芸に秀でる者は多芸に通ず」ものなので。
その辺は適宜、脳内変換なり脳内補完なりしてくださいませ。


では早速。

さっくりスキルを身につけるのに必要なことはただひとつ。


強制的に学ばなければならないところに自分を追い込む、
つまり、仕事として案件を受けるのが最も早い!

ん…「お仕事をしながら学ぶ(トレーニングを受ける)」のは、確かに大変に効率がよいものではあるのですが。
一方で「留学したら英語がしゃべれるようになるか?」というと、必ずしもそうではない、という話をあちこちで耳にするのもまた事実です。


この辺は…おいちゃん的には2つ。
一つは「意欲」の問題で、まぁそれはあるだろうから省略。
もう一つは「素地の問題」。「本数冊読みゃわかるような事」をまったく知らないようでは、そもそもやる気が疑われます。
最低でも「ある程度の分量の本を読んでおく」くらいの下ごしらえはしておきましょう。
どんな本がよいかについては…可能であれば有識者に聞きましょう。無理な場合…とりあえずカンで(笑
# 今度、この辺で「推薦図書」をリストアップ予定です。乞うご期待w


後は。おいちゃんが散々常々言っている「守破離」については、是非一度ご一考いただきたく。
「学ぶ」という姿勢において、とても重要な指針だと思っているので。
http://d.hatena.ne.jp/gallu/20090228/p1

そんな簡単な技能はおろか日本の常識すらない状態の学生に、
まともな仕事は降りて来ません。

ポイントその1。つまり「まともじゃない仕事は降りてくる可能性があります」orz
後で詳しく書いてみましょう。

そんな状態で、なんとか仕事を手に入れる方法があります。
それが「人手が足りていないチーム」を探すことです。

特にこれが「プログラミング」系の現場において、ここは「極めて大きな地雷」です。
大事だよ? テストに出るよ?


んと…そも、プログラミングは本質的に「人海戦術でどうにかなるものではありません」。
以前 http://d.hatena.ne.jp/gallu/20090317/p4 でも書きましたが。
プログラム組むのにぶっちゃけ一番大事なのは「設計とひらめき」の部分で、この辺は「数いたって無力」です。
で、ひらめいたコードを「人に説明」するのは…相手に「ある程度のレベル」が要求されます。
つまり「技能のない子が手だけ浮かせていて」も、正直それは「邪魔なだけ」になるわけです。


一方で。
もちろん「猫の手を歓迎する」現場もあります。
んと…「行数で金額を計算するような」ところとか。コピペでコードを量産していくようなところとか。
その場合「そもそもその現場に、身につけるに値する技術がまったく全然、皆無に壊滅的に」存在しないので、成長はしませんっていうかできませんが B-p


えと…本質的に。
「人間がやると面倒な事をコンピュータにやらせている」現実に思いを馳せるべきでしょう。
「スキルがない人間」は、言ってしまうと「極めて性能が悪いコンピュータ」と同レベルなので。ンなら「性能の良いコンピュータにやらせたほうがいい」わけです。ぶっちゃけた話ですが。


また。この部分の勘違いも見逃せません。

ここでメリットになるのが、
「猫の手も借りたい」という大人はたいてい優秀です。
その人に仕事が集まっているのはなぜかといえば、
その人が仕事のできる人だからです。

一面として、Yesな側面もあります。
ただ残念な事に「Noな側面」もまた、山盛りで存在します。
つまり「「猫の手も借りたい」という大人はたいてい優秀」か? と問われれば。おいちゃんは「無視できない確率でNoになるよ」と答えます。


また「仕事ができる人のところに仕事が集まる」が正しく成り立つためには、どんなに最低でも
・仕事を振る人(それが顧客であろうが上司であろうが親会社であろうが)が、適切な判断をしている
ことが必要条件なのですが(十分条件ぢゃないあたりもポイント)。
実際問題、その条件が「適切に満たされている現場」が果たしてどれだけあるかというと…。


ちょうど先日学ばせていただいたこともあるので。

100円のコーラを1000円で売る方法

100円のコーラを1000円で売る方法


簡単な例を出しましょう。
あなたが顧客(お仕事を発注する側)である、とします。


技術者Aさんは、お願いしたことをちゃんといわれたとおりにやってくれます。
技術者Bさんは、お願いをするたびに、質問は出るわ否定は出すわいいわけはするわ、で、全然言った事を言ったとおりにやってくれません。
あなたは、AさんとBさんのどっちに仕事をお願いしたいですか?
答えは少し下で。


また。
「仕事が集まっている」と「仕事にたくさんの時間をかけている」とが、微妙に「一致するとは限らない」のもまた、一つのポイントです。
技術者Cさんは毎日12時間〜14時間、土日も出勤して仕事をしています。
技術者Dさんは毎日8時間、きっちり定時あがり。土日どころか有給の消化だってしちゃいます。
さて「仕事が集まってるのは ドッチ?」


答え「情報が不足しているので回答不能」。


技術者Cさんには、2つの可能性があります。
一つは「無能だから仕事に時間がかかりすぎている」。
もう一つは…これ読んで。 http://www.mars.dti.ne.jp/~hirok/xp/col/031.html


技術者Dさんには、2つの可能性があります。
一つは「責任感がなく、とにかくとっとと時間が来たら仕事を終えてる」だけ。
一つは「バケモノのごとく優秀で、あらゆるタスクをちゃんとマネジメントできててさばいている」可能性。


故に。
「猫の手も借りたいほど忙しい」人が「その人が仕事のできる人である」と断じるためには。
彼らのoutputである「成果」を、適切に評価する必要があります。
で。
その評価、ぶっちゃけ出来ます? 社会人経験の少ない人たちに。
…社会人経験いっぱいある人だって、出来ない人いっぱいいるのに B-p


あぁそうそう。
技術者AさんとBさんの話。ちょいと噛み砕いてみましょうか。


技術者Aさんは「とにかく言われたことを言われたとおりにだけ」やります。
技術者Bさんは「作成物のビジネスロジックやバリュープロポーションその他を考え、不明点はとにかく質問をし、技術的見地からの逆提案を視野にいれながらヒアリングを重ねます」。
あなたは、AさんとBさんのどっちに仕事をお願いしたいですか?
あなたは、AさんとBさんのどっちに仕事をお願いするべきですか?


あるいは。


技術者Aさんは「ヒアリング能力が高い」です。相手のニーズを考えて適切な提案をしてきますが、その提案はとてもホスピタリティにあふれているので「なんか色々質問とか多いなぁ…」という印象を相手に与えません。
技術者Bさんはとにかく「仕事をしたくない」です。だから常に「出来ない理由」を探し、ただひたすらに「拒絶する」会話しかすることができません。
あなたは、AさんとBさんのどっちに仕事をお願いしたいですか?
あなたは、AさんとBさんのどっちに仕事をお願いするべきですか?


そうして。
そもそもとして、初手に「AさんとBさん」の話を読んだときに、この2つの「まったく違い可能性」の双方を、ちゃんと想定想起できましたか?
「自分が認識していない可能性のある、かつ、判断にとって重要な考察軸」がある可能性について、意識はしていますか?


つぎ。

仕事のできる人の下で働くことは、
あなたに最高の成長をもたらします。

極めてYesです。「できる人」の下、なら。

まぁ成長してもらわなければ、あなたを使う側からしてみると
手伝わせるだけ負担になるので邪魔なんですよ、ぶっちゃけ。

まぁこれも事実(苦笑
言い方を変えると、これがおいちゃんの「教育の原動力」。
常々言ってますがね。おいちゃんが下の子に多少なりものを教えるのは「純粋にして一転の曇りもない、純粋な100%下心」です B-p
育てば、お仕事ふる先が増えるでしょ?
おいちゃんが楽できるようになるんだもん(笑


で…この部分に、最大の落とし穴があります。

あなたに(付く上司にとっての)ビジネス価値がないときは、
一切見返りを求めてはいけません。
あなたにとっては仕事が報酬であり、最高の武器です。
それがなければ、就活に頼らなければ就職できなくなります。


淡々と上司の手伝いをこなし、足りない知識を埋めて前進し続ければ、
最初はクソみたいな待遇であろうと、
いずれは重要な仕事を任せてもらえるようになります。

曲がりなりにも、周囲からは「同業者である」と誤認されている状況で、大変に心苦しいというか死にたいというかむしろ殺したいところなのですが。
上述を「ちょっといい感じ」に悪用すると、非常に「殺意の湧く」状況が生まれます。
そうしてその「悪用」は…………存在します。極めて残念な事に。


登場人物
・学生さん
・経営者


学生さん
たとえ「クソみたいな待遇」でも、とにかく頑張って働かせてもらってスキルを身につけて、いつかは大きく羽ばたくんだ!!


ってな感じで、某会社さんに入りました。
雑用含め、たくさんの仕事がふってきます。本当にたくさんの、たくさんのたくさんの沢山のtakusanの大量の大量のたいりょうのありえないほどの仕事が振ってきます。


経営者的には http://www.mars.dti.ne.jp/~hirok/xp/col/031.html の応用です。
もちろん「仕事が出来るの」に優先的に仕事を割り振りますが、それでは間に合いません。
だから、とりあえずタダに近いほど安い歯車にも、仕事を割り当ててみます。できなきゃどなちりらして馘首して終了。
もしできたらさらなる仕事を押し付けます。出来なきゃ以下略できたら以下略あとは無限ループ。
大体、延々と「同じような生産性のない学習する余地もない」お仕事を、磨耗しきるまで繰り返しやらされます。


ここで細かい話をすると「そもプロジェクトスコープが」とか「顧客近視眼(カスタマー マイオピア)がすぎる」とか色々あるのですが、一端省略。


で…一つポイント。
こーゆーところには、高スキルのエンジニアは「間違いなく」存在しません。ある一瞬存在したとしても、極めて短期間でいなくなります。
だって「外のほうが待遇いいんだもん」。生産性のない仕事で命と体と心を磨耗したって、しょうがないでしょ?


話をもどしましょう。

あなたに(付く上司にとっての)ビジネス価値がないときは、
一切見返りを求めてはいけません。
あなたにとっては仕事が報酬であり、最高の武器です。
それがなければ、就活に頼らなければ就職できなくなります。


淡々と上司の手伝いをこなし、足りない知識を埋めて前進し続ければ、
最初はクソみたいな待遇であろうと、
いずれは重要な仕事を任せてもらえるようになります。

は。可能性として「クソみたいな待遇でクソみたいな仕事を、磨耗してつぶれるまで延々とやらされる」可能性が、否定できないんですね orz
ちなみに磨耗すると
・体を壊す
・心を壊す
が、orないしand条件で発生します。過労死とか欝による自殺とか、そんなに遠い別世界の話ではありません。…非常に、大変非常に、残念な事ですが orz

私のウェブ屋さん稼業であれば、
最初はテキストの修正から入って、
簡単なコードをかかせるようになり、
バナー等の画像素材部品を作ってもらったりして、
何度か一緒に案件をまわした後に、
案件を一本担当してもらうようなステップになります。

この例でいうと。
テキスト修正と簡単なコード、くらいで止まりですかね。そういうところだと。
逆に「いきなり案件」で地獄を見るケースもあります。
んと…実際に耳にしているのに近いケースとしては「ほぼ素人に案件一本いきなり丸投げ、できなかったからってんで損害賠償を個人にふっかけて借用書に判子つかされた」あたり、でしょうか?


他人を「今後の成長株たる人材」と見る人がいる一方で、他人を「磨耗して使い潰しがきく歯車」って見る人がいることをわすれちゃいけません。


で…

そして、渡された重要な仕事をしっかりこなした時、
あなたの上司は待遇を改善せざる得なくなります!


せっかく育てたあなたに逃げられたら、
たまったもんじゃないですからね。

ここも微妙に落とし穴。
まともな人は、何も言わなくても「ある程度の待遇」をしてくれます。理由はまさに「逃げられたらたまんない」から。…まぁそういう理由よりも「頑張ってくれたんだもん」っていう謝意であることのほうが多いと思いますが。
問題は「問題のある」タイプ。
2タイプありまして。


一つ目は「人間なんざ五万といる」ってタイプ。基本的に部下と社員は「磨耗したら新しいのを補充すればよい」としか思ってないので、高待遇なんてもったいないことはしません。
育った? ほっときゃ育つだろ? 大体、誰だってそんなにかわりゃしねぇよ。かわんねぇんだから安くて若くて元気なのをみつくろえば、壊れるまでの時間が長いだろ?
*2


二つ目は「違う方向に」育てていくタイプ。洗脳って言ってもいいわな。
「技術力」じゃなくて「従順力」を育てていきます。言われれば、文字通り「なんだって」やる子に育てば、そりゃ便利だもん優遇してくれるよねぇ。ていのいい鉄砲玉だし。まぁ結局のところ消耗品なんだけど B-p


で…まとめると。
「上につく相手をまちがえなければ」よいメソッドだと思うのですが、一方で「上につく相手を間違えると」人生丸ごと間違える可能性が否定できないんですね orz
なので、このエントリーを書く気になりました。


…いや実際、先様のエントリー見る子って、結構「意欲高い」し、ってことは「大切な未来のエース」の可能性が否定できないのよ。
でも間違えると「死屍累々 屍山血河」の可能性もまた、否定できねぇのよ orz
おいちゃん、そーゆーの見るのが、最大級にキライなので。


閑話休題


芸事でも「下手に習うと下手がうつる」なんていいますし。
ただ、特にビジネスや技術は「なにが上手でなにが下手か」が分かりにくいので。
だとすると…おいちゃんがお勧めするのは、こんな感じかなぁ、と。


・いつでも辞められること抜けられること。辞める意志を相談したときに脅迫したりしてくるようなところは多分ブラック。
・定期的に(できれば一ヶ月に一度)、その場所から離れたところで「自分がいる場所」に思いをめぐらす http://d.hatena.ne.jp/gallu/20070123/p1 http://d.hatena.ne.jp/gallu/20080319/p1
・親兄弟に「今自分がやっていること」を話する。…おいちゃんは「血縁」っていう概念がよくわからんのですが、見聞きしている限り、この辺は重要っぽいです


安心できる相手であれば、お仕事を通じての学びが、やっぱり「一番」身になる、と思うので。
是非「師事する相手」を間違えずに、持っている「可能性」を伸ばせる子がたくさん増えることを、心から祈ってます。

*1:ぶっちゃけたところ「技術レベル」については、「食っていけるレベルのソフトウェアエンジニア」というあたりを基点にすると「低い、もしくはない」という程度だと予想されます

*2:「技術者なんて派遣会社に言えばいくらでも出てくるだろ」って発言を本当に耳にしたことがあります…