うちの子(おいらと同じ現場でリアルタイムに教育していた子)には、ある程度耳タコな話なのですが。
おいちゃんがよくいう発言のひとつにこんなんがあります。
「便利な言葉を使うな」
さて。
「便利な言葉」ってのは何を指し示して。んで、便利なのに、なんで使ったらいかんのざんしょ?
ってあたりを。
この文脈で使う時の「便利な言葉」の指し示すものは比較的簡単で。
「一言で言い表す事が出来て、まるでお互いが共通の認識を持てたかのように誤認してしまう言葉」です。
一般的なあたりで、常識とか普通とか正義とか愛とか恋とか。
技術に寄るなら、バグとかサニタイズとか最適とか効率とか。
「あなたのためだから」「有益だから」とかって偽善系の単語もそうですねぇ。
その他結構色々。
正直。ある程度細かく説明して具体的に表現してもなお、ある程度の齟齬が起きるのがコミュニケーションってもんです。
それを「いかにも共通認識が出来たかのような幻想を想起させるがごとき単語」で片付けようとすると…それはもぉ。楽しいくらいに齟齬齟齬です。
基本的には「ちゃんと自分の言葉で、詳細までかみ砕いて発言する」だけでよいのですが…問題がありまして。
「ちゃんと自分の言葉で、詳細までかみ砕いて発言する」ためには。「自分の言葉で語れる」、つまり「理解している」事が前提となっているわけです。
しかるに。もし、万が一、仮に、ごく稀なケースとして、例外的に*1「何となくイメージで語っているだけで理解していないしするつもりもぶっちゃけない」ような状況の場合…少々、問題が発生します。
バズワードを無駄に使う御仁なんかに見られる傾向でもあるのですが。
つまり。
「ちゃんとかみ砕いて話をしましょうよ」と相手に促す時に、それは時として「あんた理解してる?」と、相手の理解度をはかる指針になる可能性が、0では、ないわけです。困った事に。いや困りませんがっていうか「意味もわからずに上っ面で語られる」ほうがよっぽど困った事なのですが。
「便利な言葉」は。「理解していないんだけど何となく相手にイメージを伝えて後は丸投げ」なんて時には、本当に便利です。最終的に結果がよろしくなければ「おまえの理解の仕方が悪い」って言い切れますし。
つまり。「やらかされる」側としては、たまったモンじゃない言葉な訳ですね。
わかった「つもり」になれる便利な言葉。
あなたは、つい、使ってませんか?
*1:大切に過ぎるのでなんども言ってみましたw