がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

あぁ「顔の見えない集団戦闘」かどうか、なのか

うちの愛弟子との話から、ふと考えて思ったことを、備忘録。


とあるケースで、おいちゃんが出したメールが割と「キツい」って話になって。
一応弁明すると「まだ温い」メールではあったんだけど、まぁ「あの手のが苦手な人にはキツい」だろうなぁ、ってのはあるので、その辺の加減は置いといて。


そのときに出てきたのが「囲師は周することなかれって知ってます??」という話をされて。
そこから、まぁ以前から「モワモワと考えていたこと」を考える良いきっかけになり、改めて考えてみた。
結論からいうと「ビジネスの文脈で、おいちゃんが"囲師は周することなかれ"に従って逃げ道を作るようなやり方をすることは、多分ないんだろうなぁ」と。
そこに至るまでの流れを、つらつらと。


まず、元の言葉の語源のあたりから。
孫子の兵法の「九変」ってのがあって、そのうちの、大体この3つ。
http://www.geocities.jp/team_abe/words_f_28.htm

帰師勿遏 (帰師は遏(とど)むることなかれ)
圍師必闕 (囲師は周することなかれ)
窮寇勿迫 (窮寇は追ることなかれ)

簡単な解説はこちら。
http://www.geocities.jp/team_abe/words_f_28.htm

(7)帰還しようとしている敵を引き止めてはならない。
(8)包囲している敵には、逃げ道を設けておかなければならない。
(9)窮鼠と化した敵を追い詰めてはならない。

丸数字はお好まないので、そこだけ修正。


さて。
簡単に言うと「逃げ道を作り、かつ、逃げ出したら逃がしてやれ」ってのがこの辺の趣旨だと思う。
実際、上述の引用したサイトにも

何故攻撃してはならない敵があるのか。
それは、攻撃することによる利益の裏に必ず損失が潜んでいるからである。
物事には必ず両面があり、利益の裏には損失が、損失の裏には利益がある。

ってな考えだと思う。


…うん一見わかるんだけど、ちなみに、真逆の考え方があちこちに存在する。
ちといきなり「引用できる」レベルでは思い出せないんだけど、内容的にはこんな感じ。


「中途半端に攻撃をすると恨んできて反撃があって…っていう風に泥沼になるから。やる時は"相手が二度と、逆らおうと思う事すらないように"徹底的に殲滅し壊滅し倒し尽くせ」


こっちはこっちで、非常に理解できるっていうか体感している。
内容的には真逆なので…軽く、思案。


考えると、これって文脈が違うんだよなぁ、と。
圍師必闕ってのは「相手の顔が見えない集団戦」で、一方上述の文脈って大抵「サシ、ないし、確実に顔が見える小数戦」なんだよね。
ここに気づいた瞬間に、なんか腑に落ちた。


圍師必闕のあたりは「相手の顔が見えない集団戦」だと、とてもYesで。
場合によっては「徴兵すればこっちの戦力」にもなり得るし、もしかして「農民を徴兵していた」ら、生産力云々とかいう話にも直結する。
戦闘すれば、いずれにしても「こちらの兵力も目減りする」しね。
だとすると「こっちの兵力の温存」の意味合いを兼ねて、基本的には「逃げるんなら逃がした」ほうが、とりあえず短視野的には「兵力の目減りが防げる」と思う。


中長期的にどうなんだろう? と、ちょっとだけ思うんだけど。
んと…例えば「敵3万、味方5万。戦闘して敵1.5万、味方4.8万で敵逃亡」を放置。敵が本隊と合流して「敵5.5万 vs 味方4.8万」になると。殲滅しときゃ、目減りがないと仮定すると(この仮定自体が若干怪しいんだけど)「敵4万 vs 味方4.8万」になるので、敵兵力を「削いでおく」のも大切な気がせんでもないんだけど。
一方でふと「とはいえ、1.5万の兵って"逃げれば逃げられる"って気づいてるから、危なくなったらとっとと逃げるから敵の陣って瓦解しやすそうだなぁ」とか色々と考えると、なんかもうちょっと色々、単純計算では難しい考察ができるんじゃないか、って気がする。


なので、とりあえず「戦争(顔の見えない集団戦)」という文脈においては、圍師必闕ってのはなんとなく「あるんじゃないかなぁ」って思う。


ただ一方で。
おいちゃんが、相応に「丁重なmail」をたたき込むケース、なんかの場合。
とりあえず「当面は相手との関係性が続く」可能性、ってのが前提にあって。そういう場合…まず
・それなりに、こちらが激怒るに足る状況
ってのが、あるわけです。
大抵、状況としては「おいちゃんに明らかに実害のあるレベルで、相手が大きくミステイクな手を打ってきた」ってのがパターンです。
ちなみに「言い訳」をしてもよいフェーズではあるのですが、おいちゃんが激怒って「丁寧なmail」という剣戟を実際に繰り出した場合、その手前で「結構な分量のシミュレーションをしてある」ので*1
「言い逃れ」とか「開き直り」とかその類いが有効な状態である、というような温い状況は、多分作っていません。


…まぁつまり「9割方問題があるんだけど残り1割が微妙」なんてケースで剣を抜かないので、その分ストレスが溜まるわけなのですが。
おいといて。


んで。
ここで「圍師必闕」とかをふと考えてみるわけなのですが…もうちょっと正確には「帰還しようとしている敵は引き留めず、包囲している敵には逃げ道を設け、窮鼠と化した敵は追い詰めない」事を考えてみるわけなのですが。
逃げたり逃がしたりするとまた「同じこと」を繰り返し、追い詰めなければ反省をしないわけで(追い詰めたら反省するのか?ってのはあるけど)。
そうすると「再度、おいちゃんに明らかに実害のあるレベルで、相手が大きくミステイクな手を打ってくる」事が、容易に予見できるわけですね。


つまり「後顧に憂いを残す」結果しか、想定できないわけですね。
逃がすと「あぁまた言い逃れできるんだ」って方向に学習をするし。
逃げ道を作ってそっちに逃がすと、やっぱり「逃げられる」って学習をするか、下手をすると「そっち側に誘導したお前が悪い、そんな姑息な誘導がなければ自分はもっと改善できた」とか他人に転嫁をするし。
窮鼠を放置すると「あぁ激怒れば逃げられるんだ」って方向に学習をします。


…あぁちなみに、簡単な逃げ道は一個あって、ですな。
「10割アウト」って思ってるのは「実害がある上でそれが改善されない」まで、で10割なので。
「問題点に気づき、謝罪して反省して改善策を考えている」場合、「実害はあ"った"けど、改善される可能性がある」ので、10割ではなくなるので。おいちゃんの場合は、高確率で「一端、矛を収めます」。
ポイントは「あぁ、改善する可能性があるなぁ」と思えるかどうか。なので「謝罪の台詞」よりは「本人が反省しているか」ってあたりの印象値がでかいですな。
故に「とりあえず"ごめんなさいと言ってみた"」は、どちらかというと「火に油を注ぐ」程度の結果にしかならないので、あんまりお勧めしません。
一方で「怒らせてしまったけど理由がわからないんだけど話をちゃんと聞いてそれが改善すべき内容ならちゃんと改善したいからまず話を聞かせて下さい」ってのを"真摯且つ誠実に"言ってくるなら、多分、感情はいったん置いといて、話はすると思う。「解らない」については、片側では「それもどうよ」とか思うんだけど、もう片側で「言わなきゃ解らない」ってのが理解出来なくもないので。


まぁそんなこんなを考えると。
「囲師は周することなかれ」ってのは、単語としては理解できるし、コンテキストによっては「重要」だと思うのだけど。
おいちゃんの主戦場である「ビジネス」の場では、「会社 vs 会社」のおおざっぱなやりとりならともかく、現場の「個人 vs 個人」のやりとりだと、あんまりおいちゃん的にはしっくりこないなぁ、ってのが、改めて考察で理解できたです。


勿論、もう一つの主戦場である「TRPG」の、陰謀もののセッションの場合は縦横無尽に使うのですがw
ただ…「逃げ道にさらに罠を仕掛けて確実に仕留める」のって、見方を変えると「周してる」ような気がするので、本当の意味で「囲師は周することなかれ」になっているのか? ってのはとても疑問なのですが(笑


以上、前から「もわもわと」考えてはいたのだけど、あんまりちゃんと形にしてなかった系の内容なので。
せっかくのタイミングなので、memoり。

*1:手前で「質問をする」事も多く、これによって「誤解や勘違い」を確実に潰してたりもするので