がるの健忘録

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

一緒だよねぇ?

ASPSaaSって何がどう違うの? って話。


違うって主張として。例えば…
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/trend/2006/10/18/8867.html

SaaSが実現した新たな要素として、次の2つをあげることができる。
 1)シングルシステム・マルチテナントの実現
 2)他社のサービスと連動するマッシュアップ

1はASPでも可能だった(マシンパワー的に微妙に不安だったが、それは"ASPSaaSとの違い"という論点からは外れる)。
2も一緒。もうチョイ厳密には「Web API's」という発想が新しく沸いて出てきただけ。


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060508/237027/

宇陀社長によると,SaaSと2000年当時のASPサービスの間には,まず「ネットワーク・コスト」の点で大きな違いがあるという。「当時はアプリケーションのコストよりも,ネット経由でアプリケーションを利用するための通信費の方が高くついていた」(宇陀社長)。それが,この5年余りの間に月額数千円も出せば最大100Mビット/秒のブロードバンド回線が利用できるようになった。結果として,SaaSが現実的な利用形態として浮上してきたのだ。

ネットワークインフラは話のレイヤーが違う。

ベンダーのシステム形態も,2000年当時とは異なる。当時のASPサービスでは,ユーザーごとに物理的なサーバー環境を用意するシングルテナント型が主流だった。それが現在では,物理的に同じサーバー群を複数ユーザーで共有するマルチテナント型が主流になりつつある。マルチテナント型では仮想化技術を使って,負荷のピークに合わせてサーバーの各種資源をユーザーへ動的に割り振る。

これもレイヤー違い。


http://www.keyman.or.jp/3w/prd/38/30002138/

比較的安価な料金でのサービスを売りにするASPがビジネスとして成立するためには、ベンダ側の設備投資・運用管理コストを極力抑えることが必要となる。従来のASPの多くは顧客ごとにサーバ環境を割り当てる形式(=シングルテナント)であったため、少数ユーザの顧客に対しても、サーバやDBを個別に割り当てる必要があり、コスト効率が悪かった。

んと………どうも散見されるのだが。ASPの「必須要素」としていつ誰がシングルテナントという要素を打ち出したのだろう?
単純に「時代的にそのほうが現実的だった」っていうだけだよね?

従来のASPの多くは、パッケージソフトウェアを単にサーバにのせ、フロント部分をHTML化したに過ぎないものであった。ブロードバンド環境が普及していなかったこともあり、ネイティブなWebアプリケーションと比べてパフォーマンスは劣っていた。
SaaSアプリケーションは、開発当初からSaaSでのサービス提供を前提としてアプリケーションが設計されており、Ajaxなどの最新技術が採用されているケースも多い。このため、パフォーマンス、操作性が大幅に向上している。

定義が根底からおかしい。大体定義を比較するのに「ASPの多くは」「SaaSアプリケーションは -中略- 多い」ってなに?
それだと、例えばSaaSって単語が生まれなければそのまま「ASPの今昔」ってタイトルで「ふるいASP」と「あたらしいASP」とでも議論成り立つよねぇ?

従来のASPは基本的にカスタマイズができず、ユーザ個々のニーズに応えることはできなかった。
一方、SaaSではメタデータを利用して、ユーザごとに個別にカスタマイズしたサービスを提供できるようになっている。

カスタマイズできてたASPもあればカスタマイズできないSaaSもある。いぢょ。
…なんていうか。この「 株式会社 野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 主任研究員 城田 真琴」? 「大手電機メーカーのシステムコンサルティング部門を経て2001年、野村総合研究所に入社」? 「IT動向の調査と分析を行うITアナリストとして活動」?「専門は、SaaSSOAオープンソースなどソフトウェア全般」?
群を抜いてダメポである。


結局のところ。
栗原 潔氏のBlog「栗原潔のテクノロジー時評Ver2 ( http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/ ) 」にある
【徹底討論!?】SaaSASPはどこが違うのか? ( http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2006/07/saasasp_a618.html )

ということで、今の私の結論は「SaaSASPに本質的な違いなし、ASPにはあまりビジネス的に成功できなかったという悪いイメージがあるのでそれを避けるために、ベンダーがマーケティングSaaSという新しい言葉をプロモートしている」というものです。

ってのが一番的を射てるとおもう。


まぁ。商売上のイメージの問題もあるので。とりあえず、脳みその中で

s/ASP/SaaS/gm

としておきませう。
これでActive Server Pagesまで引っかかったら大笑いであるw