gallu’s blog

エンジニアでゲーマーで講師で占い師なおいちゃんのブログです。

認識[できる|できない]、[数字|質]

元ねたは…某書籍で読んでいた、マックジョブとかその辺のくだりからなのですが、まぁ、あんまり形跡残っちゃいねぇので気にしないでください。
相変わらず、ぐだぐだ考えていたことをつれづれ書いてみようか、と。


んと…おおむね「対立軸」で。
「認識できる数字、認識できない質」
vs
「認識できない数字、認識できる質」
という構図になるです、ってのを考えてました。


片側は現場。特に「熟練の職人」とかそのレイヤーを想定。
片側は経営/管理。普通にいわゆる「経営者」を想定。


先に、たぶんわかりやすいんじゃないかと思われる経営側から。軸は「認識できる数字、認識できない質」。


経営の目標はたぶん最終的に「より高い売り上げ(またはより高い利益*1 )」。とりあえずまとめて「より高い金額」って呼称で一旦おまとめ。
んで。より高い金額のためには、例えば「母数(社員数とか)の増加」「無駄の排除*2」などなど、が必要だと思うです。
その状況を前提に。
実際に「いくら売り上げたか」などは、非常にわかりやすい「明確な数字」になるので、認識は容易です。


問題は、もうひとつのほうである「質」。
もちろん「高品質を謳うこと」はとても大切なのですが。高品質を「謳う」ことは大切ではあっても、それが本当に「高品質である」かどうかは別問題だしもうちょっと-検閲削除-な発言をするのであれば、別段「高品質である必要」もなかったりします B-p
いやまぁそこまでいかないとしても、もうちょっと憂慮すべき問題が…えと、数値化してみましょう。


例えば。
「品質を指し示す数値が2倍に増え、その結果として売り上げも2倍になるかわりに、製造費が1.8倍になる」のであれば、たぶん比較的肯定的にその「品質向上」は厚遇される可能性があり。
一方で例えば「品質を指し示す数値が2倍に増え、その結果として売り上げも2倍になるかわりに、製造費が4倍になる」のであれば、たぶんあんまり好ましい目で見られないです。
…で、質問。「品質を指し示す数値」って、なんですか?


とりあえず、ソフトウェアを想定して。
例えばいわゆる「バグ曲線」とか「バグ検出数」とか、そのあたりをもって「品質を指し示す数値」とかする文化もありますが、その辺がどれくらい「何の意味もないのか」ってのは、ある程度以上真摯に現場にいればよくわかろうってもんです。「予想されているバグ抽出件数に満たないから、面倒だしバグ埋め込んじゃえ」なんていうくぁwせdrftgyふじこlp Zap!Zap!Zap! 反逆者は殲滅されました。


…おいといて。


もうちょっと真摯に考えてみまして。
例えば「保守性」なんてのは大切だといわれてまして、具体的には「ある機能を修正したり追加したりするのにどれくらい楽か?」であるとか。
あるいは「使用性*3」ってのがあって具体的には「使い勝手のよさ」とか*4
もうちょっと行くと「スケーラビリティ性」とか。
問題は、この辺に関する「信頼に足りるだけの数値指針」が、おいちゃんの知る限りではないんですよね。信頼「できない」数値指針はあるのですが B-p
極論、「完全性」にしたって「バグがないこと」を前提にするならそも「バグがない、ってなにさ?」という話になるです。完全なるテスト? とりあえず「パーフェクトソフトウエア」あたり読んでから出直してきてください。


パーフェクトソフトウエア

パーフェクトソフトウエア


「美しいコード」なんてのも、議論はさまざまになされている一方で「じゃぁ100点満点中で何点なのか?」を「きちんと定量的なものさしで」なんて、図れませんし。
つまり。結論として、質ってのはどうしても「非常に数値化しにくい」側面が多々あるわけですよ。
ちなみに大本の「マックジョブ」の話を少しだけしますと。「美味しさ」ってのは質なのですが、これを「客観的に定量的に数値化する」のはまずもって無理です。
んで。
そう考えると。無論、質だって「ないよりはあったほうがマシ」ではありますが「質のために数値を犠牲にする」なんてのは「経理経営を知らない若造のやる愚行」以外のなにものでもありません。
かくして対立軸の片方である「認識できる数字、認識できない質」が、出てきます。


次に。熟練した職人を前提に、もう一方の軸である「認識できない数字、認識できる質」について分解してみましょう。
とりあえず「ドレイファスモデル( http://d.hatena.ne.jp/gallu/20100118/p1 )」を前提に。


現実問題として「クォリティ(質)」ってのは、目の前に明らかに存在するです。
問題が起きそうなコードは「問題が起きる前に」におってくることも多いですし。
明らかに「いやな予感がする」設計、「妖気アンテナがバリサンで立ち上がる」ようなインフラ、「意識が飛びそうになるか、でなければこれを組んだ人間の意識を物理的にぶっ飛ばしたくなる」ようなデータ構造、「とりあえずこんこんと子一時間説教をしたくなる」ようなインタフェース、「なんか悪意でもある?」とか言いたくなりそうなセキュリティホール、その他諸々。
ある程度以下の熟練度の人相手に説明をするのは難しいですが、逆に言うと「ある程度以上」のレベルを前提にした場合、容易に共有しうる「質」というのは、これは現実として存在しています。
「どれをもって最上とするかどうか」ってのは議論が分かれるにせよ、少なくとも「明らかに質が低いよねぇ」というのは、これは大抵意見が一致するものです。
つまり。少なくとも「下のほうの閾値」としての「質」ってのは、確実に存在します。先日の図書館サイトの話とかね B-p


一方で「むき出しの数値」ってのは、これは非常に認識が難しいです。
ある程度以上の熟練者になると、ほぼ無意識に「コンテキスト(周囲の状況)」を、これは「必須パラメタとして」考慮しながら物事を考察するので。
じゃぁ例えば上のほうから「先週はバグが30件でるところが25件しか出ていないからこの問題を解決してくれたまえ」と言われても、そもそもとして「なぜ30件出ると予想されていて」「25件のそれぞれのバグはどんなバグで」「そのそれぞれは"どのような"発生原因に起因して」「そも"バグがきちんと30件出てくる"必然性はいずこに?」...と、思考は迷宮の真っ只中に突入し。
考察のために最低限必要なパラメタがあまりにも少なすぎるために、「いきなり数値だけ言われても」手詰まってしまうです。
つまり「必要な情報すら捨象された数値」では、状況が認識できないので、考察も理解もできないのです。


かくして「認識できない数字、認識できる質」となるわけです。


方や「数字しか認識できず」方や「質しか認識できず」。そりゃまぁ相互理解なんて根本的に Zap!Zap!Zap! 反逆者は殲滅されました。


えと…んと…ほらアレですよ、お互い理解しあいたいんですよ手をつなぎたいんですよ。
でも、いまひとつかみ合わないぢゃないですか?
そこをどうにかしてみたいんですよ。………できるもんなら。


なんとない印象値ではあるのですが。
いわゆる「経営/マネジメント/営業/企画」レイヤー、およびそのレイヤーを好む人たちは、大抵の場合「認識できる数字、認識できない質」の軸を持っていて。
一方で、現場で苦労している連中と、それによって磨かれてしまった方々は概ね「認識できない数字、認識できる質」という軸を持っているです。


なので。綺麗な発言をすると。
現場レイヤーは、ある程度でもよいので「数値化する」努力を怠らず。
現場以外のレイヤーの方々は、ちゃんと現場仕事をするなりして「捨象しているものを、時々でもよいのでちゃんと見たり、大切にしたりする」努力を怠らなければ。
つまり、お互いに半歩づつ譲り合って歩み寄ることができれば、会話はさほど難しくないと思うのですが。あるいは少なくとも「永遠の対立」にはならずにすむんじゃないかと思うのですが。


そのあたり。どんなもんなんでしょうかね?

*1:利益のほうが真っ当だと思うんだけど、売り上げを中心に考える人が多いのもまた、不思議っちゃぁ不思議

*2:こっちは「より高い売り上げ」前提だと、時々「意図的に」オミットされてたりしますが B-p

*3:脂溶性って変換されてみました orz

*4:いやまぁでもここはある程度の数値指針でそうですがね